作品の中で印象に残ったのが「キッチンが変った日」。
四十過ぎで、著者の義弟のアルドが、二十歳近く下のシルヴァーナと結婚した。
それから自分の家が一番だと言っていた姑が
著者のもとに遊びにくるようになる。
嫁との同居生活が始まって、居心地の悪いこともあるだろうと著者は推測するのだが、
その一つに、キッチンの変化もあって…という内容。
直接姑と嫁がぶつかるといったことはない。
が、今までの姑の暮らしに変化がもたらされていく様をみると
読んでいるこちらも、どことなく姑の気持ちが伝わってくる。
また別の話では、このアルドに焦点が当たっていたり、
その息子が中心の話もある。
一度出た人物も、また別の角度から見られて
読むごとに深みを感じていた。
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