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2009/11/13

須賀敦子『トリエステの坂道』

作品の中で印象に残ったのが「キッチンが変った日」。

四十過ぎで、著者の義弟のアルドが、二十歳近く下のシルヴァーナと結婚した。

それから自分の家が一番だと言っていた姑が

著者のもとに遊びにくるようになる。

嫁との同居生活が始まって、居心地の悪いこともあるだろうと著者は推測するのだが、

その一つに、キッチンの変化もあって…という内容。

直接姑と嫁がぶつかるといったことはない。

が、今までの姑の暮らしに変化がもたらされていく様をみると

読んでいるこちらも、どことなく姑の気持ちが伝わってくる。



また別の話では、このアルドに焦点が当たっていたり、

その息子が中心の話もある。

一度出た人物も、また別の角度から見られて

読むごとに深みを感じていた。


Amazon→『トリエステの坂道 (新潮文庫)

2009/10/22

堀正岳,佐々木正悟『iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法!』

Phoneを使い出して10日。

いろんな方のiPhoneの使い方をネットで追いながら、

どう使うのがいいんだろうなぁ

何ができるのかな

と悩んでいました。



そこにでたのがこの本。

情報の管理、ぼくの場合だと論文をPDFでiPhoneに入れて見てみたり

あるいはライフログをiPhoneを使って行ってみたり。

そんなアプリがあるんだ、そんなこともできるんだ、

といったhacks本を読んでいるような印象。



iPhoneを持っている人にとっては、へぇそういう使い方もあるのという印象の反面

持っていない人にとっては、こういうことができるツールなんだ、と

iPhoneを知るのにも使えそうな本。

アプリについては、本+ネットで似たようなアプリを探して

検討してみるほうがいいかも。



情報をすべてiPhoneに、というのはできないケースもあると思いますが、

ぼくには大いに参考になりました。


Amazon→『iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法!(デジタル仕事術シリーズ)

2009/10/03

司馬遼太郎『坂の上の雲(三)』

三巻では、開戦前後の話だけあって、陸海軍や政府のお偉方がいっぱいでている。

その中には、日本史の教科書でみたことのある人物もいっぱいいる。

旧友であっても人事で譲ることはしない山本権兵衛。

大丈夫なのかと言われつつも、無口だけど、この人なら大丈夫そうという風格が作中でにじみ出ている東郷平八郎。

日英同盟をあてにできない、自分が何とかする!と日露協約に動く伊藤博文、

それを苦く思う桂太郎(当時の総理大臣)など。(もしかしたら、三巻以外ででたかもしれないが。)

日本史を学んでいるときにこの作品に出会っていたら、もう少し近代史に興味を持っただろうか、なんて考えもよぎるくらい。

そのくらい、それぞれの人物がおもしろい。



ちなみにぼくは、広瀬武夫という人物が好きだ。

広瀬の船が浸水し、そこから脱出するときにひとり見当たらない杉野を、

部下に止められるまで三回も探しに行く。

また、ボートで脱出したときには、おそらく敵軍からの砲撃を恐れながら

漕いでいる隊員を励まし、「おれの顔をみておれ。見ながら漕ぐんだ」と声をかける。

その姿から、ぐっとくるものがあった。


Amazon→『坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)