この台詞が、忘れられなくて。
この台詞の前後の、人肉を食べるかどうするかというシーンだけ知っていました。
全体を通して読んだのは、今回が初めて。
徐々に、確実に何かが壊れ麻痺していく怖さ。
読み進めていくだけで胃が痛む。
それが一気に吐き気としてくるのが、「たべてもいいよ」からのくだり。
ここからさらに、崩壊が加速していく。
生々しい描写は忘れられなくなりそう。
Amazon→『野火 (新潮文庫)
訃報がきた。
2年前、ドイツ留学でいっしょだった方だった。
その方は確か定年退職されてから、学びたいことがあるからと大学に入られたといっていた。ちょっとおちゃめな、話しかけやすい方だったと思う。後にも先にもそのときから会うことはなかったけど。
その1年後くらいに、いっしょに留学した子と再会した。そのときに少し、その方の話題が出た。学部のカリキュラムでまた留学してるはずのその方は、どういうわけか結局留学していないという話を聞いた。留学のときも、あまりドイツでの生活は合わない、といっていたのを思い出す。
仕事をやめた後に、学びたいことがあるからと大学に入られた姿をみて、こういう生き方ができたらいいなと思ったのがもう2年以上前。ドイツでとった写真には、笑顔が多かった方だった。正直今も実感が持てない。ああ、陳腐なことばだけれど、御冥福をお祈り申しあげます。